雪の葛城山ハイキング 持っている服で関西の雪山は楽しめる!

友人から相談をいただきました。

私は昔ハイキングやランニングをしていた経験があります。最近は仕事が忙しくたまにランニングをしている程度です。
山が好きな友人から「葛城山でクリスマス会をしよう」とハイキングに誘われました。私は冬にハイキングをしたことがありません。なぜなら冬は雪が積もることがあるため、自分の体力や服装・装備に不安があるからです。行くかどうかを悩んでいたら関西に寒波到来。葛城山にも雪が積もりました。楽しい仲間と遊びたい気持ちもありますが、体力のこと服装のことが不安で行こうかと悩んでしまいます。

って、その山好きな人って私やん!
結論:かおりんの持っている服で寒波の葛城山は行けるよ

でた!かなちゃんの「行ける~」
山にめっちゃ行ってるし、慣れてるからそう言うやろ

ははは。そうやね。でもね、行けるんやもん
なぜならば、かおりんの持っている服は関西の雪山(低山)に必要なものがちゃんとそろっているから

ハイキングに行ったことはあるけれど「冬になったら雪が心配で行かないな」という方におすすめの記事です。最後にメンバーがどんな服装で雪の葛城山を歩いたかの様子も公開していますので是非最後まで読んでみてくださいね。

このブログはこんな人におすすめ
  • 軽アイゼンで登れる低山に行く予定がある
  • 雪山がはじめてで服装に不安がある
  • ゴアテックスなど防水の靴・雨具を持っている
このブログでわかること
  • 冬の葛城山の服装のポイントは重ね着・レイヤリング
  • 山でヒートテックをおすすめしない理由
  • くつした・てぶくろなど小物で防寒対策を工夫
  • 実際のみんなの服装を紹介!
目次

大和葛城山はどんな山?

大和葛城山(やまとかつらぎさん)は奈良県御所市と大阪府南河内郡千早赤阪村の県境にある標高959mの山です。山頂はなだらかな高原用の地形で四季によって様々な景色を楽しませてくれる関西の山です。春は「一目百万本」と言われるつつじ園が有名です。冬は葛城山ロープウェイがあるので雪が降ると子供たちがそりすべりを楽しむ姿もみられます。

山頂は高原で向かいの山は金剛山
「一目百万本」5月には山頂がピンクに染まります

今回は2022年12月クリスマス寒波後の雪の葛城山キャンプ場でクリスマス会をするために登りました。

初心者の雪の葛城山計画

雪山がはじめてのメンバーが5名中2名。歩行時間が2時間程度のコース、下山は葛城山ロープウェイを利用しました。ロープウェイがあり、葛城高原ロッジが山頂付近にあるため初心者におすすめの山です。ただし、雪が積もることは稀です。凍結などはありますが最近は温暖化のためか雪が少ないです。

雪が積もることが少ないから雪のチャンス逃さないでね。

当日の天気や状況によっても難易度は変わります。比較的リスクの少ない初心者のコースですが、事前の情報収集を行い、自分でリスクに対して対応できる範囲かを判断して行きましょう。

山の服の基礎は重ね着(レイヤード)

レイヤードとはなにか?

レイヤードとは重ね着のことで、登山やハイキングの服の基本です。なぜなら登山・ハイキングは環境や運動量で体の状況が変わるからです。変化に合わせるために衣類を脱ぎ着するため重ね着が基本になります。重ね着をせず分厚い服で対応すると、衣類での体温調整ができず、暑くなりすぎて疲れやすくなったり、汗をかきすぎて体が冷えてしまうなどの危険性があります。山での衣類は重ね着を基本で考えると準備しやすいです。一般的には以下の3層で行動着を重ね着していきます。

  1. ベースレイヤー(肌着)
  2. ミドルウェア(フリースなどの中間着)
  3. アウターウエア(レインウエア、ウィンドシェル;防風のウエア)

ベースレイヤーはポリエステルかウール系素材

まず何を着て行ったらわからない。そのような時は肌に触れる衣類をポリエステル素材またはウール素材で選びましょう。なぜならポリエステルやウールは速乾性または保温性に優れているからです。山では行動と停滞(休憩などもふくむ)があります。行動中に汗をかき、停まるとその汗が冷え体の熱を奪います。汗で湿ったウエアが外気温や冷たい風で冷やされ、体の熱を奪われるときの冷えを汗冷えといいます。

例えば、濡れた服を着たままエアコンの効いた部屋でエアコンの風を受けていたら冷えますよね。汗冷えは低体温症のリスクを高め、特に冬の汗冷えは状況によって命を脅かすリスクにつながります。山では肌に触れる衣類が一番重要です。

  1. ポリエステル
    • 速乾性に優れているため汗をかいてもすぐに乾く特徴があります。気化熱(液体が蒸発するときに周囲から熱を奪う=体の熱を奪う)の影響で一時的に体温が下がりやすい。
  2. ウール
    • 保温性が高い天然素材です。ウールは吸収熱が大きい特性があります。つまり汗などの湿気を伴うことで発熱するため汗をかいても冷えにくい。速乾性はポリエステルに劣るので汗をたくさんかく状況下では適さないことがある。
  3. ハイブリッド
    • ポリエステルとウール素材をあわせたウエア。それぞれのメリット・デメリットを補い合うウエアです。

昔かって着ていなかったメリノウールの長袖があった!ランニングのウエアはポリエステルで乾きやすいね。

冬は特に汗をかきすぎないような歩き方、ペース配分もポイントです。汗をかきすぎたらウエアが濡れる上に外気が低い冬は後で寒くなることも。

山でヒートテックをすすめない理由

普段の生活での寒さの見方、ユニクロのヒートテックは冬のハイキングではおすすめしません。理由はヒートテックの素材です。ヒートテックの暖かさの秘密はレーヨンです。このレーヨンは暖かくはなりますが乾きにくいのがデメリットです。つまり乾きにくいウエアは山では汗冷えするためおすすめできません。

わたしも近所の山に行くときにめんどくさくてヒートテック着ることがあります。背中が汗でしっとり。だんだん冷えてきますよ。

寒いことばかり考えてしまうけど、ザックで背中は意外と汗をかいているもんね。ヒートテックだと汗で濡れたままになるかもね。

綿の素材で山を登るなら汗冷え覚悟

綿素材の服は夏も冬も山ではメリットがない素材です。乾きにくい、濡れたら冷えてしまいます。しかし昔は綿素材しかない時代もあったわけですから、山に行けないわけではありません。しかし汗で冷えることは覚悟しておいた方がよさそうです。

冬の金剛山のおじさまはたまに綿シャツの方がいます。なぜならば、おじさま達は山頂で濡れた肌着を着替えるからです。雪の金剛山で上半身裸で着替えられる強者。体からの湯気が毎度かっこいいです!

自宅にある服で山の行動着をそろえる

山へ行き慣れてない方はどんな服で山に行ったらよいか迷ってしまい、山へ行くことを諦めていませんか?

私も今回も行くかどうか悩んだよ。雪が降っているから大丈夫なのかなって心配やもん。

雪山という言葉のハードルが高くて一歩踏み出せない。諦めてしまったら雪山で遊べるチャンスを逃してしまいます。今ある服で行ける冬の山もあります。レイヤリング(重ね着)を意識して、服をそろえていきましょう。関西の山は比較的標高が低いので雪の山も準備を整えていけば楽しめる山があります。

雪山の行動着はベース+ミドル+アウターの3層をつくる

山の服は重ね着が基本です。自分の持っている服でベース・ミドル・アウター3層をつくります。それがあなたの行動着になります。行動着とは山の行動中の服です。様々な状況下で衣類を脱ぎ着することで変化する山の環境に自分の体を調整していきます。

山は自然だから、私たちの都合のいい環境にはならない。だから私たちは「この山だったらどんな状況やリスクがあるかな?」と考えて服装を整えていくよ。

上着はベースにはポリエステルかウール系、ミドルがフリース、アウターは雨具。その間に予備でランニングなどで使うウィンドブレーカーや、休憩やごはんを食べる間などの停滞時に保温するダウンを追加します。ダウンはまずはユニクロなどのダウンからはじめてみても良いです。パンツは冬用のパンツがなければタイツ+夏のパンツ。寒ければ雨具の下をはくこともできます。

寒さ対策:小物でも調整できます

寒さは衣類だけでなく首・手首・頭・足元など小物類であたたかさを得ることもできます。首巻き・ネックゲイターは首回りや風が強い時は顔も覆えるので防寒として役立ちます。

くつしたと手袋も家にあるもので代用

くつしたはできればアウトドア用のものがあれば良いがなければ家にあるあたたかそうな靴下を選びましょう。靴下は靴が防水(ゴアテックスなど)であれば基本濡れることはありません。手袋は最低2枚は持参しましょう。

なぜなら濡れてしまった時や紛失してしまったときに手先が冷えてしまうからです。関西の低山雪山でも状況によっては凍傷のリスクもあります。指先が動かなくなると様々な行動に支障がでてしまうため雪山では手袋は重要です。最低2枚手袋は用意しておきましょう。

手袋は雪山講習や先輩からも扱いには十分注意するよう指導されます。なぜならば本格的な雪山では手袋の紛失は凍傷リスクが高くなり遭難、命の危険につながるからです。低山であっても手袋は予備の意識は持っていた方がいいですね。

実際のみんなの服装は?

行動中は樹林帯など風がないところは雪山でもけっこう薄着です。登りが続くのでだんだん暑くなってきます。風のある場所の手前で防風の装備、アウターやフードをかぶるなどして寒さに備えます。地形によって暑さも寒さも変わります。衣類を適切に調整することが自身の身を守ることにもなります。重ね着・レイヤリングでそのときにあった服装で楽しく歩きましょう。

ランニングのスカート・モンベルの巻きスカートをうまく活用して来てくれました。タイツやレックウォーマーなどで重ね着することで防寒対策の工夫をしていました。パンツスタイルは夏山などで使用のパンツ。特別に冬用のパンツでなくてもタイツを下に履いたり、どうしても寒いときは雨具のパンツを重ねてはくこともできますね。他にも自宅にあるマフラーなどで防寒対策もできます。

みんなそれぞれ防寒対策工夫してたよね。

途中で会ったトレランの集団には生足の女子がいたもんね。

それぞれの山スタイルで服装も変わるからおもしろいよね。

まとめ|関西の低山の雪山に誘われたら家にある服でそろえてみよう

行くまでほんとに大丈夫なのか不安もあったけど、すっごく楽しかったよね!友達に写真みせたらびっくりしてたよ。頑張って登ってよかった。

今回女5人で雪の葛城山に遊びに行ってきました。うち2名は雪山がはじめてだったこともあり少しでも役に立てたらと服装のアドバイスをまとめました。写真などを参考に自分の持っている服をそれぞれ工夫して当日参加してくれた2人には感謝です。そしてサポートしてくれた山の仲間や、雪山ハイク楽しさを知ったばかりの友人も後押ししてくれました。

新たな一歩を踏み出す時は勇気がいるけれど、踏み出したら楽しい瞬間が待っているんだよね。

関西は冬でも楽しめる雪の山があります。温暖化で雪が少なくなりそのタイミングも難しくなりました。だからこそ貴重な体験を逃さず自然を楽しんでもらいたいなと思い服装についてまとめました。

  1. ベースレイヤー(肌着)はポリエステルまたはウールを選ぼう
  2. ベース+ミドル+アウターで自宅にある衣類で3層を作ろう
  3. 家にある小物で寒さ対策
  4. てぶくろは2枚用意しておく

この装備でチャレンジできそうな関西のおすすめの雪山は、金剛山(大阪府)・愛宕山(京都)・高見山(奈良)・三峰山(奈良)です。雪が必ずあるとは限りませんが、私がはじめての方を案内するときによく行く山です。ハイキング経験があり、関西の雪山を楽しんでみたい方はチェックしてみてくださいね。

初心者におすすめする山ですが、安全とは限りません。山のリスク、現地の情報などを確認して楽しく山を楽しみましょう。

この記事を書いた人

大阪に住む40代の山好きです。
関西からあそべる山遊びを発信していきます。
ハイキングコミュニティーを作りました。
誰かと一緒に登りたい人は、お友達登録よろしくお願いします。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次